「想像以上にボロボロだ」——検査で知った口の中の現実

治療に入る前に、3回に分けて検査を受けた。

1回目——レントゲン18箇所、口の中の写真14種類、虫歯・歯周病・唾液のチェック、全身の写真、歯型、噛み合わせの型取り。

2回目——写真とレントゲンを見ながら説明を受け、磨き残しの検査をする。

3回目——検査結果をすべて聞く。

虫歯と歯周病のチェック以外は、初めての検査ばかりだった。3回の時間を合計すると、なんと6時間。

保険診療では、進行した虫歯がある時にその箇所だけレントゲンを撮って終わり。口の中全体をくまなく撮影してもらったのは初めてだった。

1回の検査に3時間。保険診療では考えられない。

じっくり見てもらうことで、これまでの歯科との違いを感じた。そして、これで私の長年の悩みから解放されるかもしれない——そんな期待が高鳴った。


検査が終わると、一冊のファイルをいただいた。

「お口のノート」

すべての検査結果が載った、私の口の中の説明書だった。

歯の写真があり、どこの歯のどの部分にどんな問題があるか、一目でわかるように印がついていた。その印の部分の治療の優先度が色分けされ、歯列順に問題点が書いてあった。

虫歯も治療箇所も多い私の問題点は、なんと46箇所

1本の歯に対して前・後ろ・内側・外側と細かく分けて見るので、歯の本数より問題点が多くなる。

歯科用レントゲンと歯科用CTで問題のある歯を拡大表示して見ることで、普段は見えない口の中がどうなっているのか細かいところまで確認できた。頭全体が映るCT撮影も初めてだった。

率直な感想は——

「想像以上にボロボロだ。」

虫歯はある程度覚悟していた。でも治療箇所の段差、冠が合っていない不適合な箇所が山ほどあった。不適合な箇所から虫歯菌が入り込み、詰め物の中が虫歯になったのか。虫歯を取りきれないまま塞いで広がったのか。とにかく修復物の下の虫歯が多かった。


そして、ある写真に目が止まった。

奥歯の後ろ側の側面に、虫歯でもないのに大きく削られた跡があった。

先生から「もしかしたら、親知らずを抜く時に器具が当たって削れてしまったのかもしれませんね」と説明を受けて、ハッとした。

数年前、下顎で斜めに生えていた親知らずを大学病院で抜いてもらった。難しい症例だったため、指導医のもとで研修医が担当した。親知らずを分割して抜く時、物凄い衝撃と音がした。その瞬間、研修医が「ヤバッ」と口に出した。指導医に「ヤバいとか言わない」と注意されていた。

抜歯が終わっても、削れてしまった箇所の説明も、お詫びの言葉もなかった。

あの時のことだったのか——そう理解した瞬間、悔しかった。虫歯でもない歯を傷つけられて、何も知らされなかった。自由診療でなければ、このことを知ることすらなかった。先生も「あまり宜しくない治療だ」とおっしゃっていた。


検査結果の説明を聞きながら、表情には出さないようにしていたが、かなりショックを受けた。

虫歯が多いことも、治療箇所が多いことも、自覚はしていた。でも治療した歯のほとんどが中から虫歯になっていて、不適合で段差がある。プラークが溜まりやすい状態になっていた。

シュガーコントロールができていなかったのは自分の責任だ。でも治療の不適合は、自分ではどうすることもできない。

前岡先生のブログで知った保険診療の問題を、改めて実感した。

でも同時に、冷静にこうも思った。

医院の雰囲気、先生の優しさ、治療のスピード、待ち時間の短さ——「治療内容とは関係ないこと」で選んでしまっていたのは、自分だ。保険診療でも、前岡先生のような先生はいらっしゃるのだから。


すべての検査を終え、説明も受け、ついに治療計画の説明を聞くこととなった。

重要度の高いものから順番になった計画書を手渡された。覚悟はしていたが、治療費を見て一瞬、時が止まった。

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