550万円を超える治療計画を受け入れた私を待っていたのは、すぐに始まる治療ではありませんでした。
まず、全5回の予防プログラムから始まります——と言われた時、正直、ワクワクしました。前岡先生のブログで「良い歯科は治療の前に徹底した歯磨き指導を行う」と知っていたからです。この流れが、教わったことと一致していた。
1回目:歯磨きセットとの出会い
最初に歯磨きセットをもらいました。中に入っていたのは、歯ブラシ、ワンタフトブラシ、手鏡、フロス、そして磨き残しを調べる染色剤。
私はすでに歯科用の細長い手鏡を使って1本1本確認しながら磨く習慣がありましたが、「お湯につけて温めてから使うと曇らないですよ」と教えてもらい、なるほど!と思いました。
ワンタフトブラシはもともと使っていましたが、セットに入っていたものは先が物凄く尖っていて、狭いところにもしっかり入ってくれる。これが本当に磨きやすくて感動しました。今もずっとこのタイプを使って、すべての歯を磨いています。
フロスも、これまで使いにくいと感じていたのが嘘のように使いやすくて、また感動。道具って大事なんだと実感しました。
2回目:自分の「磨き癖」を知る
赤い染色剤を使って磨き残しを確認しました。どの歯のどの部分が磨けていないかを、歯の絵が描かれた用紙に書き込んでいく作業です。
私の弱点は、歯が重なり合っている部分と、保険治療で生じた段差の周辺。プラークがどうしても取り切れない箇所が数カ所ありました。
でも、「綺麗に磨けている方ですよ」と言ってもらえました。
歯磨きを続けてきた成果がちゃんと出ていた。その言葉が、じわっと嬉しかったです。
顕微鏡で見た、自分の口の中
プログラムの中で、歯周病菌の顕微鏡検査もありました。プラークを採取して、顕微鏡で菌の状態を確認するものです。
うようよと動く菌が、全くいませんでした。
ここでも褒めてもらえました。歯磨きを変えてきてよかった、と思った瞬間でした。
3〜5回目:繰り返すことの意味
その後も、染め出しチェックと歯磨き指導を繰り返しました。磨き残しがどこにあるか、全体の何パーセントが磨けていないか。毎回確認することで、自分のクセが少しずつ見えてきます。
「24時間でプラークは歯の表面に溜まります」という話も、改めてここで聞きました。前岡先生のブログで知っていた話でしたが、歯科衛生士さんから直接聞くと、また実感が違いました。
フロスをかけたら銀歯に引っかかって外れなくなったこともありましたが、「治療が進めば引っかからなくなりますよ」と言われ、治療への期待がさらに高まりました。
なぜ、治療の前に歯磨き指導なのか
プログラムを終えてから、歯科医院のホームページにこんな説明があるのを読みました。
歯茎は、触っただけで容易に出血します。この出血が、虫歯を詰めるのを妨害します。コンポジットレジンなどが歯に接着せず、虫歯の再発につながるからです。
バイ菌は、歯の上に層状に堆積しています。歯の表面にバイ菌層が付いていて、バイ菌層の表面を歯の表面と勘違いして詰めてしまうと、詰め物と歯の境目に段差ができます。この段差にバイ菌が溜まり、虫歯の再発につながります。
歯周病予防のためだけではなかった。治療の精度を上げるために、まず口の中を清潔にする必要があったのです。順番には、ちゃんと理由がある。
5回が終わって
全5回のプログラムを終えた時、自分の磨き残しやすい箇所がはっきりわかっていました。
そして、こう思いました。
これで私は、歯周病で歯をなくすことはないだろう。
ついに、治療が始まる。
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