タイトルを見て、え?どういうこと?と思った。
歯医者が歯を治せないなら、誰が治してくれるんだ?
でも同時に、頭の片隅でこんな声もした。——確かに歯科に通い続けているのに、虫歯を繰り返しているな、と。
記事を読み進めると、こう書いてあった。
治療をすれば元通り噛める状態になるし、見た目の上でも健康な歯を取り戻したように見える。これで治ったと思いがちだけど実際は人工物がはめ込まれた偽物の歯にすぎない。つまり、元通りの健康な歯に戻すことはできない。
確かに、虫歯ができるたびに痛みを取ってもらって、噛める状態にしてもらって——治った、と思っていた。でもそれは、治っていたわけではなかった。健康な歯に戻ることは、ないのだから。
さらに読み進めると、こう書かれていた。
治療を受ければ受けるほど歯の寿命は短くなってしまう。それなのに、日本の歯科医療において保険治療では質を落として患者さんの数を回した方が医院として儲かる仕組みになっている。
正直、物凄いショックだった。
保険治療で安く治療を受けられている反面、必ずしも質の良い治療を受けられているわけではない。もしかしたら、私がこれまで受けてきた治療は質の悪い治療だったのではないか……。
だけど歯科医もボランティアではないのだから、利益を出さなければいけない。そこは当然のことだとも思った。
記事の冒頭には「場合によっては削除することも考えられる」と書いてあった。それでもここまで本当のことを教えてくれる。物凄く信頼できる先生だと思った。
それじゃあ、どうしたらいいの?
先生の答えはシンプルだった。
自分の歯は、自分で守るしかない。
私はまさに「病気になったら歯医者が何とかしてくれる」という歯医者依存型の患者だった。でもそれでは、歯は守れない。
さらに先生はこう書いていた。
虫歯が見つかっても、すぐに治療を受けるのはNG。
まずお口の環境を整えないと、数年後また同じ場所が虫歯になる。歯は治療を受ければ受けるほど寿命が短くなるのだから、何度も受けない方がいい。
同じ場所の虫歯を繰り返していた理由がわかった。
そして——
二度と虫歯にならないための知識を身につけてから最終的な治療を行わないと、あなたは「歯医者のいいカモ」として残りの人生を過ごすことになってしまいます。
「歯医者のいいカモ」——その言葉が、グサリと突き刺さった。
私はお口の環境を改善することを考えるようになった。
新しい虫歯ができなければ、治療をしなくてすむ。そのためには、お菓子をダラダラ食べたり、タブレットを常に口に含んだり——そういう悪い習慣を止める。
そして虫歯になったときは、少しでも良い治療をしてもらえる歯科でみてもらいたい。
そう考えるようになったのには、理由があった。
新しい歯科で治療を受けたとき、「痛かったらすぐ言ってくださいね、削るのをやめますから」と言われた。実際に痛くて「痛いです」と伝えると、そこで削るのをやめて穴をふさぎ、銀歯をかぶせることになった。
あとから思った。痛いと言わなければ、まだ削られていたのだ。削る範囲を先生が判断したのではなく、私の「痛い」という一言で決まった。削りすぎていたのか、それともまだ削らなければいけなかったのに途中でやめたのか——今でもわからない。
その歯科には、怖くなって行けなくなった。
前岡先生のブログを読んで、自分の歯の価値を改めて考えるようになった。
保険治療には様々な制約があり、本当の意味で患者の役に立つ治療を提供しにくい環境だということも知った。自由診療はそれだけ価値のある、妥当な金額だと思えた。
私はパートで働いていて、収入が特別多いわけではない。それでも自由診療を選んだのは、お金があったからではない。歯の価値を知ったからだ。
自分でお口の環境を整え、良い治療を受けて、本当の意味で虫歯や歯周病などのお口の悩みから解放されたい。
歯を失う恐怖は、夢の中だけでたくさんだ。

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